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板垣英憲 「小沢一郎という男の野望」 +october_31_05
■ストーリー
小沢一郎という政治家について書かれた本です。
端的に言うとそういうことなんですけど、他に何を書けと?
という感じで、小沢一郎氏の生い立ち、自民党時代の政治手腕、田中角栄との関係などなど。
まぁ、色々と書いてあったわけですわよ。えぇ。

■感想
ちょっと時代が古いっすねぇ。
いっちゃんが、自民党の幹事長の頃の話くらいまでしか書いてなくて、それからの新党を立ち上げた頃の話はないんですわ。
でもまぁ、あたくしがアメリカに居て、知らなかったエピソードなども書いてあり、PKOのことなんかも書いてありましたんで、それなりにお勉強になりました。

いっちゃんの政治手腕については、これはかなりの絶賛。という感じで書いてありますが、それが活かし切れていない現状。
もったいないっ。もったいなさすぎるっ。
と思ったのは、あたくしだけでありましょうか。

折角立ち上げた自由党も、民主党などに吸収されてしまい、これまたいっちゃんの右腕とも言われた藤井さんも、今回の選挙で落選、引退という、これからの日本にとって、本当に大切な政治家の力が活かし切れていない現状というのは、いっちゃんの師であった、田中角栄が築いた金権政治のお陰なのか、はたまた小泉さんのやりたい放題やっちまえ。な政治のせいなのか。

本当に、この本に書いてある通りの人物であるとしたならば、ぜひに、ぜひに、いっちゃんに政権を取っていただきたい。
つか、早く取れ。くらいの勢いだなぁと、力なく思った次第で・・・。

本としては、そう面白いというものでもなく、いっちゃん信者が読んでもどうなの?という内容だし。
それは筆者が記者上がりなせいなのか、うーん。と考え込んでしまったりした。

まぁでも、あたくしはいっちゃん信者ではなく、藤井さん信者なのであり、藤井さんは引退しちまったよぅ。哀しいよぅ。と、本の感想とは違う感慨を抱いてみたりした。

時期的に、衆院選での自民圧勝、民主党大敗退。というときに読んで、良かったのやも。
という感じが致しました。はい。 

貫井得郎 「転生」 +october_28_05
■ストーリー
心臓移植を受けた主人公が体験する、ドナーの記憶の数々。
自分の体験がどうしても気になり、色々な人の協力を得て、ドナーの記憶かどうかを確かめてゆく主人公。
移植コーディネーターやドクターからは、ドナーは女性で、交通事故で亡くなったと聞くが、どうしても納得がゆかない。
自分の体験がドナーの記憶だとしたら、どうしても符合しない部分があるのだ。
夢に出て来る女性に恋をし、その女性がドナーではないかと考える。

調査をし、ひとつひとつの謎を解いてゆこうとするが、謎は深まるばかり。
本当のドナーは誰なのか。
自分はどうしてレシピエントとして選ばれたのか。
結末は、意外なものであった・・・。

■感想
いやいや、この人の作品はいつもそうなのであるが、息つく暇もなく、一気に読ませてくださる。
うつで集中力がなくなって、本が読めなかったのでありますが、これはそんなことも忘れさせてくれるくらい、一気に読ませていただきました。

作者は、心臓移植に付いてよく勉強しているし、ドナーとレシピエントの関係というのもよく理解しているのでありますが、そこをよく突いた作品になってます。
ドナーはレシピエントのことを知ってはいけない。という約束。
その約束に秘密が隠されていたのでありますが、ドナーは約束を破って、どんどんとドナーについて調べて行く。
途中、嫌がらせとも忠告とも取れない、得体の知れない人物からの電話や攻撃にも負けず、どんどん謎を解明していっちゃうので、読み手はどんどん感情移入していっちゃうんですよねぇん。

で、結局謎を解明しちゃうんでありますが、あたくしは最後の文章に、なぜだか知らぬが涙してしまいました。
別に涙するような文章ではないと思うのだけれども、なぜかその最後の文章に、ものすっごく感情移入しちゃいまして。
小説で泣く。なんて、何年振りでしょうか。

昔、村上春樹の「ノルウェイの森」を読了した時、ものすごく切ない感情に囚われたけれども、それとは全然違う種類の感情の囚われ方をしましたね。この小説は。
なぜか、泣いた。泣いてしまった。あたくしとしたことが。って感じ。

この人はミステリー作家なので、これもミステリーっちゃミステリーなんです。
推理小説とも言えるのだけれども、誰も死なないし、誰も犯人ではない。
まぁ、ドナーが死んだという前提がなければ心臓移植は行われないので、誰も死んでいないというのは語弊があって、誰も殺されていない。と言えば良いのかなぁ。
でも、ドナーの死因を考えると、何とも言えない。

とにかく、意外な展開、意外な結末。
「またもしてやられたよ。この人には」と思いました。
この人って、わたしと年齢がひとつしか違わないのに、この文章力。この構成力。
とてもとても、ひとつ違いとは思えない筆力。
すごいっすよ。まったくもって、それはもう。

この人の作品は、今までかなり読みましたが、これは一番印象に残るであろう作品であり、結末が判っていながらも、何度も読み返してしまいそうな、そんな作品でございました。


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